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桜月流美剱道


宗家・神谷美保子氏は幼い頃、古くから京都・北野で自然界と融合するために、代々女の子一人にだけ伝えられているという芸能神事「歌舞」を祖母から受け継いだ。そしてその「歌舞」に、日本に文字というものが成立する以前から存在していた「ヤマト言葉」にメロディーをつけて歌う「ヤマト歌」を融合させるかたちで、「美剱道」という新しい技芸を興し、1995年7月7日に「桜月流美剱道」が誕生した。

「歌舞」はテキストがあるわけでも、文字として残っているわけでもない。練習方法は真似て発声するという実践あるのみ。川や森などの自然界に出て、そのエネルギーを感じとりながら祖母が発声し、それを真似て、ひたすらこだまで返すということを実践したという。

そして、「ヤマト言葉」は私達が現在使っている言葉にその断片が残っていると考えられている。例えば、現在使われている「みる」という言葉。これは、「ヤマト言葉」ではかつて「ふりさきみる」であったと考えられており、文字の頭の「ふりさき」が現在ではそぎ落とされるかたちで「みる」だけで使われている。

このように現在では、聞きなれない「歌舞」「ヤマト言葉」。しかし、その根底には実は日本の文化の神髄が詰まっていると言っても過言ではない。そのようなものを、ある地域の人また研究している人だけが知っているにとどめるのではなく、より多くの人に現代に馴染むかたちで継承していこうと、「桜月流美剱道」は活動を展開している。

現在の活動は、新しい舞台作品の創出、国内外での公演、伊勢神宮、静岡浅間神社などの神社等で行う「奉納舞」、そしてアメリカMLB開幕戦のオープニングセレモニーでの舞など活動は多岐にわたる。

桜月流美剱道


上記のように「桜月流美剱道」を見てもらうための活動と同時並行で大切にしているのが、実際に「桜月流美剱道」を体験してもらうことである。そうすることで、日本の精神性や文化を一人一人が体感してもらうことができればと考えている。

現在は、日本での門下生をとっての稽古はもちろんのこと、フランス・パリでの教室も開校している。なぜ、海外で最初にフランス・パリを選んだのか。その理由は、フランス人は日本の神秘性・独自性に惹かれ、尊敬の念を持っている方が多いことだ。

桜月流美剱道

このような活動に対して、2008年、ユネスコ本部・文化局から「文化の多様性に貢献している団体」として選定された。

今後も上述のような活動を更に積極的に展開していくと同時に、例えばケルト音楽を聞くとなんだかその土地の薫りを感じることができるように、「桜月流美剱道」を見ると「日本の原風景を感じることができる」そんな活動を展開していきたい。