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法政大学経営大学院イノベーションマネジメント研究科教授
小川孔輔さん


--昔から「日本人」と「花」は、伝統文化に「華道」があるように、密接な関係があったかと思います。その「花」という存在を現代の人々により身近に感じてもらうためにどのような活動をされているのですか?


 まず日本に"華道"という文化があるように、古から日常生活に「花」を取り入れ、愛で、愉しむという文化がありました。その原点である「花のある生活を愉しむ」ということを、現代の一人でも多くの方に提供できればと考えています。 そのためには、「花のある生活を愉しむ」という消費者だけではなく、花を作る人、運ぶ人、花束に加工する人、販売する人、等々の花に携わる一連の全ての方々と連携をして活動を展開する必要があると考えています。そのため、日本フローラルマーケティング協会(JFMA)やMPSフローラルマーケティング協会などを設立し、花業界全体で、より多くの方に花のある生活を楽しんでもらえるように努めています。


--近頃駅などでよく耳にするお花のキャンペーン「フラワーバレンタイン」の仕掛けをされていますが、なぜそのようなことをされようと思われたのですか?


「花」をプレゼントされて嫌な気持ちになる人はいないと思います、ですので「花は人を幸せにしてくれるもの」であると思っています。近頃、グリーンレンタル(オフィス、店舗やイベントなどで観葉植物を購入せずにレンタルできる)という制度がありますが、これはまさに人が植物が傍にあることを求めている結果なのではないでしょうか。またそれと同時に、「花言葉」により花を通じて様々なメッセージを発信することができますし、花を身近に置くことは病理学的にも効果があると言われています。
そのような、「花のある生活は心豊かに生きていける」という原点にある思いを大切にしながら、より多くの方にお花を愉しんでもらうにはどうしたら良いのかという視点でキャンペーンなど様々な活動を展開しています。それと、日本人の男性が女性に花を贈る習慣を定着させたいと考えたのも理由のひとつです。

 その一つとして、今年は「本物のバレンタインはじめよう」というキャッチフレーズのもと、「フラワーバレンタイン」を花贈り一大イベントとして推進しました。花屋の店頭で本キャンペーンを告知したり、テレビ局5社で放映されたりしたので、耳にして下さった方も多いのではないでしょうか。
本キャンペーンは、バレンタインデーの日に、男性から女性への日ごろの感謝や愛情を花を通じて伝えようというものです。バレンタインデーの前日である13日(日)に、例えば銀座・横浜・吉祥寺などで、男性に対して1万本の花を無料で配布しました。それを女性に渡してもらうことで、女性の喜んだ顔に触れてもらおうと考えたからです。
これは、小売店だけではなく卸売り市場の花き流通業、花き生産者等にも広く声をかけ展開した結果、業界一丸となって取り組むことができました。
 このようにして、花を贈ること自体をかっこ良いと思える世の中にしていければと思っています。

 その他の取り組みとして、「ミモザイエローキャンペーン」も行ってきました。3月8日は「ミモザの日」と呼ばれ、国際女性デーでもあります。イタリアなどでは、男性から女性への感謝の気持ちを贈る日とされています。この時期に、花屋の店頭でミモザを使ったブーケを多く並べたり、売上の一部を寄付するというキャンペーンを実施しました。
日本でも花を通じて、このような気持ちを体現できればと考えています。

花を贈る、花が身近にあるということで生まれるコミュニケーションは多くあります。 花が会話や人間関係を築くきかっけになっていけばと思っています。


--今後、特に一般消費者向けの活動としてどのようなことをお考えですか?


 何かの機会、例えばお誕生日などの際に、花をプレゼントすることが「かっこ良いこと」になっていけばと思っています。今では、男性から女性にお花を贈るのは「キザな感じがする」という人が多いと思います。それを少しずつ、様々なキャンペーンなどで変えていきたいと考えています。
 そのように進めていくことで、花が日常生活の一部、「身近にある普通のもの」になっていくのではないかと思います。



<プロフィール>
小川孔輔さん

小川孔輔(おがわ・こうすけ)

 1951年生まれ秋田県能代市出身。東京大学経済学研究科博士課程卒業。
現在、花の持つ素晴らしさをより多くの人に伝えていくために、花業界から成る団体の設立や数々の花にまつわるプロジェクトを手掛けている。
 1977年法政大学経営学部講師、その後79年に助教授に昇進。1982年よりカリフォルニア大学バークレー校に客員研究員として留学。帰国した後、1986年法政大学経営学部教授、同大学産業情報センター所長などを歴任。また大手企業のコンサルティングや数々の書籍の執筆も手掛ける。現職は、法政大学経営大学院イノベーションマネジメント研究科教授(マーケティング担当)、日本フローラルマーケティング協会会長(創設者)、MPSジャパン取締役(創業者)。